この頃、家にいるのが好きである。コロナの緊急事態宣言で家に籠るのも特に苦だとは感じなかった。
もちろん旅行は好きだけど、お決まりの観光旅行はなんとなくつまらなく感じるようになってきた。
行きたい所が出てきたら、重い腰が急に軽くなる。
これまで行きたくなった場所は、屋久島だの知床だの吉野の山奥だの、自力で行くのはなかなかハードルの高い場所が多かったので大抵は旅行会社のツアーを利用している。
そして先日、クラブツーリズムから届いたパンフレットをめくっていたら、出会ってしまったのだ。
「<街道>『東海道を歩く』」 クラブツーリズム
これだーーー!と自分の中のセンサーが急に動き出した。自分の足で日本橋から京都まで歩く!これほど良い旅は他に思いつかないほどである。なんてったって、私の本棚には小学生の時に繰り返し読んだ小学館の「少年少女世界の文学27 日本編2 東海道中膝栗毛」がいまだに鎮座しているのだ(※謡曲物語と南総里見八犬伝も一緒に入っています)。弥次郎兵衛と北八の織りなす珍道中記を、自分の足で辿れるとは。クラブツーリズムナイス!
とはいえ、まさか一気に最初から最後まで歩きとおすわけもなく、行程を30回に区切って、前回のツアーが終わった場所から次回のツアーが始まるという、段々旅の起点が遠くなって行くスタイルである。
このツアーは、ぜんぶ参加し終えるまでに2年くらいかかるようだ。いやいくらなんでも長くないか?とは思うが平日は仕事をしているし、ツアーでは熟練のガイドさんの説明が聞けるのが何より楽しみだし、自分で調べて計画を立てるなんて絶対無理だ。
クラブツーリズムにはほかの街道のツアーもたくさんあった。もっと早く気づいていれば、と少し悔やまれる。そして、東海道のツアーが始まってもいないのに、これが終わったら次は中山道だな!なんて早くも先のことまで考えてウキウキしちゃったり。
というわけで、早速クラブツーリズムのWEBサイトから申し込みにかかったところ、これが中々難題だった。各回複数の日程が用意されていてその中から都合の良い日にちを選べるのだが、1回目から順番に次のツアーに参加したいと思ったら中々うまくいかない。一覧表に書き出してにらめっこしながらああでもない、こうでもないと2時間ほど考えたが、途中で順番を入れ替えざるを得ないのは仕方ないこととあきらめた。何とか7回分まで予約を入れてホッとしたら、もう夕方だった。
娘に頼んで、メルカリで永谷園のお茶漬けカード「広重 東海道五拾参三次」のセットも買ってもらった。メチャメチャ嬉しい。しかしなんと、絵が小さくて老眼の進んだ目には細部が良く見えない…メガネはどこだと思ったらかけている。トホホ。スマホで写真を撮って拡大したらよく見えたけど、全部写真に撮らないといかんのか。
月に2回は長時間外を歩くのだから、何か軽くて着やすい上着と雨に強い帽子を買わないと。